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東京国立博物館 本館・平成館

執筆者の写真: nagaoka shinyanagaoka shinya


東京たてもの散歩 ─ 東京国立博物館 本館・平成館


本館は昭和12年(1937)、関東大震災で損壊した旧本館に代わり建てられた。翌13年(1938)開館。四角いコンクリートの建物に、そのまま陸屋根ではなく日本の伝統的あるいは東洋的な屋根を載せたデザインを「帝冠様式」と呼び、時代時代で賛否が分かれる。設計当時は「流行り」でもあったように思う。個人的にはどこか中国的で、日本を代表する博物館の建物としてはふさわしくない印象を受ける。内観についてもほぼ同様で、良くも悪くも和洋混濁(混在でも折衷ではなく)しており、ある意味ニホンジンらしくもある。一空間またはディティールそれぞれは感嘆に値する。 一方、平成館は皇太子殿下御成婚記念として、平成11年(1999)竣工。直線を基調とした近代建築で随所に贅を尽くした大空間が広がっている。とは言え…である。技術・意匠ともに建築の歴史的背景を知らなければ、特別な魅力が伝わりづらい建物であろう。

設計:渡辺仁(本館)・建設省関東地方建設局営繕部+安井建築設計事務所(平成館)


2023.9.15-17 UENO, TOKYO




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